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House S


residence 2020

「家族のカタチを許容する家」

小割された3LDKの間取りを、小さな寝室と大きなリビングダイニングで再構成した築30年のマンションリノベーション。

家の中心に据えたキッチンには通路を取り込み、壁面に木枠の開口を大きくあけることで、キッチンの独立性と家族のコミュニケーションを誘発する公共性を両立できる設えとした。キッチンを囲う壁面は曲面により連続性を持たせ、室全体を柔らかく繋ぎとめるとともに、白でありながら表情あるタイルで仕上げることで、大黒柱のような象徴性をも担っている。 室配置の工夫や空間の歪なボリューム構成、関係性の構築により、ひとり暮らしでも、ふたり暮らしでも、子どもがいる家庭でも住むことを許容できる、おおらかな間取りを実現した。このような「家族のカタチを許容する家」が今後増えることで、時代や状況に適した住まいの獲得をより気軽に行える未来を願っている。

Location: Nagoya, Aichi
Category: House
Area: 66㎡
Year: 2020
Photo: Yasuko Okamura | VA INC.